転送速度1000MB/Sオーバー QNAP TVS-1282Tパフォーマンスレポート

 

4K動画の制作環境向けの高性能モデルとして発売されているQNAP TVS-1282T、その実力を検証してみました。 

まずはTVS-1282Tを簡単に紹介させて頂くと、少し大ぶりながら通常のNASと見た目は大差ないですが、10GbEのネットワークアダプタ、およびThunderbolt 2アダプタがを背面に標準搭載しており、従来の1Gbpsをはるかに超える超高速なインターフェイスを利用出来るのが大きな特徴。

最近のNASはそれなりに性能が高く1Gbps接続(従来のギガビットイーサーネット)であれば回線速度一杯のほぼ100MB/s程度の転送速度は出すことが可能です。しかしながら10GbE接続となると単純に接続しただけではそのパフォーマンスを発揮することが出来ない事実はあまり知られておりません。

そこで今回は最適化されたTVS-1282Tというモデルを使い検証してみました。

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テスト環境は下記

TVS-1282T側・・・250GB、SSD8台のうち4台キャッシュ、4台ストレージとして設定。(使用SSD MZ-7TE250)

編集機(PC)側・・・OS:Windows 7 Professional(SP1)、メモリ16GB、内蔵ストレージ NVMe接続SSD Intel SSD750/1.2TB)

接続環境・・・RJ45コネクタ カテゴリー7ケーブル

計測ソフト・・・Black Magic design Disk Speed Test (Windows版)

Write性能・・・編集機(PC)側からNASに保存する際の速度

Read性能・・・NAS側から編集機(PC側)に取り込む際の速度

 

まずは結果からご覧いただくと下記の結果となりました。

1Gbps接続結果

i_001

10GbE接続(最適化なし)結果

i_002

10GbE接続(最適化あり)結果

i_003

(*上記テスト結果はあくまでテスト環境における結果であり、すべての環境において同じ結果を出せる事を保証するものではございません。)

1Gbpsのパフォーマンスはほぼ回線速度一杯の速度を計測しており、これ以上は1Gbpsの回線環境では望めない事が見て取れます。

対して10GbE接続となりますと「最適化なし」の場合はWrite性能539.1MB/S、Read性能386.2MB/Sなのに対して「最適化あり」の場合はWrite性能1050.3MB/S,Read性能1002.3MB/SとWriteで2倍弱、Readにおいてはなんと約2.6倍の性能を発揮しており如何に接続設定最適化および部品選定が重要か見て取れます。

ただし、ベンチマークソフトではメモリやキャッシュに書き込まれた速度の数字を計測していることが予想されますので次に100GBという巨大サイズのファイルを用意しそちらの転送速度を実測してみました。

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転送ファイル容量 100GB(単一ファイル)

 

Read(TVS-1282T→編集機)

Write(編集機→TVS-1282T)

1Gbps接続

15分40秒(約106MB/S)

17分15秒(約97MB/S)

10GbE接続(最適化なし)

3分47秒(約440MB/S)

3分1秒(約552MB/S)

10GbE接続(最適化あり)

1分53秒(約885MB/S)

1分46秒(約943MB/S)

100GBのデータを転送することにより確実に搭載メモリやSSD内部キャッシュ(QNAPにおけるSSDキャッシュとは異なります。)はオーバーフローしておりDisk Speed Testの結果より少々の落ち込みは見えるものの「最適化後あり」の場合にはRead、Write共に十分余裕をもって一般的コーデックを使用した4Kネイティブ編集にストレスなく対応し、また編集者の待機時間を大幅に削減することによる効率化を図れることをご理解いただけると思われます。

最適化設定は専門的な知識を要するのですが当社では編集機とQNAPを最適な状況に予めセッティングした上でセット販売させて頂いており導入時には最高のパフォーマンスを即発揮できネットワークやPCの専門家がいらっしゃらないお客様でも容易にご使用いただけます。

また、既に10GbE接続システムを導入済みのかたでも一部パーツ変更等で低価格にて最適化できる場合もございますのでご遠慮なくお問い合わせください。

 

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