コピーサービスにおける通常のコピー方式

通常のコピーサービスでは、マスターデータ内のデータをコピーをしますが、正確にいうとマスターのデータ配列とコピーされたデータ配列は全く同一という訳ではありません。データの記録単位をセクタと呼びますが、セクタに記録していくデータは順序良く並んで格納されておらず、ランダムに配置されています。その理由のひとつとしては、フラッシュメディアの書き込みにはある程度の上限があるため、同じセクターばかり書き込んでいるとそこの部分だけ劣化していくのを防ぐためです。全部のセクターがまんべんなく使用されるようにすることによってメディアの寿命を延ばすことができます。通常のコピーにおいてはセクタごとのコピーでは時間がかかるため、セクタの場所は無視してデータだけをコピー先メディアに書き込むような形をとっています。
通常はこれでデータ自体は全く同一のため問題は発生しません。

完全コピーとは?

完全コピーというのは上記で説明したセクタの位置も同じ状態でコピーすることで、完全に元のマスターとセクタの位置も含めて同じものが出来上がります。通常コピーと比較すると多くの時間がかかります。

完全コピーを推奨するケース

通常コピーと比較すると時間のかかる完全コピーですが、マスターデータの内容によっては完全コピーの方が安全というケースがあります。例えば一般的な動画ファイルやPDF等のファイルの場合は完全コピーを行う意味はほぼありません。しかし、OSデータやある種のソフトウェア、特殊なデータにおいては、セクタの位置情報(アドレス)が参照されたりすることがあり、その場合セクタの位置が異なると不具合を起こすことが稀ですがあります。そのためUSBメモリーにLINUXのOSを入れて起動メモリとして使用するといったようなマスターについては原則として完全コピーを推奨しています。完全コピーと通常コピーのどちらを選択するべきかは実際に数本コピーしてみるということも考えられますが通常コピーで行ってみてもたまたまそのメディアの書き込まれたデータのセクタ位置が問題なかっただけで違うメディアでは違う結果が出ることも考えられます。そのため相当数チェックしてみないとはっきりしたことがいえませんし、ある程度大量に配布する場合には不安が残ります。そのため怪しい場合には完全コピーを選択するのがおすすめです。

完全コピーを推奨するマスターデータ

以下のデータをマスターとする場合には完全コピーをおすすめします。
・OS等データ
・起動/リカバリデータ
・LINUXベースのソフトウェアデータ
・特種な機器で使用するデータ
・更新用データ等
料金は通常コピーとは異なりますので、担当まで「完全コピー希望」の旨お伝えください。